みつばちどっとねっと
ニホンミツバチにご注意
天井から蜂蜜が降ってくる。板も畳もはがして大騒動
6月27日の夜、おびえた声の電話があった。疲れ切っている感じだ。「二階の部屋に蜂がいっぱい飛んでいて、何か白いものが天井板の隙間から見 えてぽたぽたとなにか落ちています。蜂蜜でしょうか。恐くて恐くて……」ニホンミツバチの巣が屋根裏から暑さで蝋が溶けかけ、蜜の重みで天井に落下したと直感した。飛んでいる蜂を家庭用殺虫剤で殺して、落ちている蜂蜜を容 器で受け、家具、畳を汚さないように。板の隙間から見える巣のあたりにしっかり殺虫剤を吹き付ければ、全滅できると助言した。2時間後、もう一回電話があって、「部屋の蜂は殺して蜂蜜はしみないように受けましたが、天井裏の巣はとても手を出せませんので取ってください」と依頼された。 
次の日の昼、除去処理に出かけた。依頼者の家は、場所は愛媛県越智郡大西町。山間の、蜂の好む東向きの日当たりのよい場所であった。1年前から蜂がいることに気づいていたが、気にしていなかったそうである。被害はカーペット1枚 、 壁の汚れと天井板1枚。かろうじて畳は被害を免れた。もし、1日発見が遅れていれば、巣に貯えられていたおよそ12キログラムの蜂蜜は、天井を破って落下し、二階と一階の家具、土壁、天井板と畳を汚してしまったに違いない。処理は2時間40分くらいで終わった。天井裏への通路が巣の場所から遠かっ たこと、巣のあたりによい足場がなかったことと、すでに壁際と天井板一枚が破損していたことで天井に大穴を空けることになった。しかし、仕事は比較的楽で早く終わることとなった
あとで足代を頂戴して住んでいる方には 


・蜂の出入りを見つけたら必ず家庭用殺虫剤で処理すること。


・同じ場所にまた営巣するの可能性が高いので、十分すること。


の2点を念を押しておいた。この問題の背景には、ニホンミツバチの営巣範囲が拡大し、住宅地、工業地域などあらゆる所へ拡散していることがある。過去に大西町には500−600ヘクタールの柑橘園がありセイヨウミツバチが600箱以上飼育されていた。しかし、現在は柑橘面積、蜜蜂群数とも以前の十分の一くらいに減少している。昭和50−53年をピークに減り続けたミカン山は現在、広葉樹林の雑木林に多くが変わり、それから採れる蜂蜜がニホンミツバチの繁殖を助けている。そしてしまなみ海道沿いの島々にもすこし昔にはいなかったニホンミツバチが飼育されている。 
2001/6/29  越智 孝
 

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